頭の回転が早いと認知症・アルツハイマー症になりやすい?

脈が速い動物ほど寿命が短いなどと言われるように、体の組織には寿命があり使えば使うほど劣化していき寿命が縮まる、という考えが一般的にはあるようです。そして脳についてもそういったとらえ方をする方がおり、特に脳の重大な疾患である認知症やアルツハイマーが頭の回転が速いことで引き起こされると言います。しかしこの考えは医学的には全く根拠がなく、頭の回転を常に速く保っておくことは認知症の原因になるどころか、将来の認知症の予防にさえなるのです。

 

認知症の原因は現代においてもまだ完全には解明されてはいませんが、大きな原因の一つに脳血流量の問題があることは明らかになっています。一部の認知症患者は明らかに脳血流量の低下が見られ、これが原因で脳機能が低下しているのです。頭の回転が速いという状態は脳血流が十分に確保され脳からスムーズに情報を出し入れできている状態ですから、この状態を保つことは認知症の主要な原因をあらかじめ防いでおくこととなるわけです。

 

そもそも頭の回転が速いと認知症の原因になるという理論は、脳が神経伝達を行うにつれて神経繊維や脳細胞などが消耗されていくことを前提としていますが、脳の神経伝達によって脳が消耗するという要素はほとんどありません。また現実的には、脳が使いすぎによって消耗するよりもはるかに早く心臓や肝臓・腎臓などの負担がかかりやすい臓器にガタがきて、これらの臓器が人間としての寿命を決めることが多いでしょう。したがって、脳の使いすぎによる影響といったことを考える必要はまずないのです。